名波の読書記録

読書記録、映画鑑賞記録

2025-01-01から1年間の記事一覧

「若い読者のための種の起源」の読書記録

当時、種は神が創造したものというのが一般論であった時代に、進化論を唱えることは容易でなかったと思われ、ダーウィンの苦労が垣間見れる。 ダーウィンにとってビーグル号での航海はこの上なく幸運な体験だっただろう。 後に、隕石衝突による大量絶滅であ…

「利己的な遺伝子」の読書記録

長い進化の中で淘汰され生き残ってきたものは遺伝子だった。生き物はただの遺伝子の乗り物にすぎない。 子孫を残すにあたっての男女の特性であったり、血縁の濃さを鑑みての利他性の発揮であったり、進化の過程は非常に興味深い。分かりやすい例えも多く、専…

「藍を継ぐ海」の読書記録

物語に科学の視点が織り込まれることで、知識欲が満たされる。読んで一つ賢くなったと思わせてくれる本。 「祈りの破片」が悲しい現実と向き合わなければならない人間の感情が滲んでいて良かった。言葉はなくとも、ほんのひとときでも、気持ちが重なることが…

「迷いのない人生なんて 名もなき人の歩んだ道」の読書記録

共同通信社により新聞連載された「迷い道」というコラムをまとめた本。迷いながら人生を歩んでいる人々の姿がそこにある。 人生では思いも寄らない出来事が起きる。それが病や事故といった一般的に不幸とされるようなこともある。普通の幸せというのは案外難…

「青ノ果テ 花巻農芸高校地学部の夏」の読書記録

宮沢賢治の書籍をもう一度読みたくなる本。地学の観点から文学に迫るのは面白いと感じた。 壮多にとっての鹿踊りのように、これがあれば大丈夫(生きていける)と思えるものを見つけられたらいいと思う。

「白いへび眠る島」の読書記録

生き物は自分が生きられる環境を求めて移動する。人間も例外ではない。人間と一口に言っても、人付き合いが苦手、賑やかな土地が肌に会うetcいろいろな性格の人がいる。土地や人間関係に縛られる必要はない。自分が暮らしやすい環境を求めればいい。その中で…

「氷点」の読書記録

作中の「社会が複雑になればなるほど、個人の人格も価値も無視される。その人間でなければならない分野はせばめられて行くだけなのだ。」という言葉が印象的だ。夏枝も美貌の妻という価値あるものの括りではなく、一人の人間として見られていれば、心が移ろ…

「オオルリ流星群」の読書記録

若い頃の人生設計では明るい未来が描かれるが、ある程度人生を歩むと、こんなはずではなかったと歯を食いしばらなければならない時期もある。何もせずに耐えるのか、もがいてみるのか、新天地を目指すのか、乗り越え方はそれぞれ。一つの方法として、人間は…

「同志少女よ、敵を撃て」の読書記録

勝手に頭の中で動き出すような、個性的で愛らしい登場人物たちが印象的だ。一人一人に物語があるのだろう、小説では見えない部分まで想像させられる。 私たちが倒すのは何でしょう。それは誰しもが同じ答えにはならない。単純に敵味方で分けられるものではな…

「傑作はまだ」の読書記録

もし、大切な人を蔑ろにしてきてしまったと気がついたとして、悲しいことに昔に戻って何かできるわけではない。今から急いで何かをしても、取り返せるものではない。その間に積み重なったものがあるわけで、それこそ、いまさらであったりする。 私たちはこれ…

「月魚」の読書記録

「水に沈んだ私の村」の爽やかさったらない。夏の暑い青い空。気心の知れた友人たちと優しい時間を過ごせたら…。 もし「この人とは理解し合えるかもしれない」と思える人がいて、関係を築いていきたいと思うなら、少し勇気はいるかもしれないけれど話しかけ…

「正欲」の映画鑑賞記録

原作と違う点も少々あるものの、伝えたいメッセージは変わらずに維持されている。 空気感、人物同士の距離感は映像化されることでより現実的に感じることができた。社会の中で生きている人間の話であることがより伝わった。 美しさのある作品だった。

鳥たちとのお別れ

一人で生活した期間はとても短くて、側には常に鳥たちがいた。今日最後の一羽がこの世からいなくなった。静かな家。 小さくて温かい生き物たち。心からありがとうを。さようなら。

「正欲」の読書記録

多様性が謳われるようになって、受け入れられる器は大きくなった。個人が尊重され、違いが認められるようになったことは、息がしやすい社会に近づく一歩なのだろう。 それでも、「多数派=普通」という思考は根強く残っていて、そこから外れないことが正しい…

「か「」く「」し「」ご「」と「」の読書記録

自分以外の生き物が何を考えているかなんてわからない。誤解をすることもある。それでも、時間をかけて関わる中で、わかることもある。それは、その人の性格だったり好みだったり癖だったり。それの積み重ねで信頼が生まれるのだと思う。 「やりたくないこと…

「夜のピクニック」の読書記録

高校生の頃を思い出す。自分のことと目の前にあることしか意識が向いていなかった。今の先に続きがあることも、自分と誰かが繋がっていることも、まったく気が付いていなかった。もしかしたら、自由でいたいから繋がりなんて煩わしいと思っていたのかもしれ…

「本日は大安なり」の読書記録

結婚式と聞いて何を思い浮かべるだろう。幸せな花嫁、独身生活の終わり、莫大な費用。何のために、誰のために式を挙げるのか。そこに何を託すのか。非日常であることは間違いない。 その後に続く日常に繋がる、最良の一日を願って。

「琥珀の夏」の読書記録

子供にとって、大人たちは完璧でなんでも知っているもの。正しいことを知っているから叱るのだ。そう思っている。子供は大人たちの言葉を信じる。 中でも信じている大人からの言葉の力は大きくて、いつまでも心に残り続ける。大人になって、完璧な人間なんて…

「ツナグ 想い人の心得」の読書記録

日曜日に太陽が頭上高くに昇るまで寝ていたら、あの人はなんと言うだろう、そう思いながら一緒に生きていく。二度と会えない大切な人、心の中でいつでも会える。

「異国日記」の映画鑑賞記録

そういえばそうだった、親しく思っている人でも他人なんだ。理解できないのは当たり前なんだ。そう思った。だからこそ、歩み寄らなければ分かりあうこともないのだ。その人との関係性を決めるのは自分自身と言えるかもしれない。 作中で槙生の言うとおり「誰…

「ツナグ」の読書記録

死んでしまった人に会いたいと思うのは、未練があるからだ。伝えたいことがあったり、気持ちを知りたかったり。また顔を合わせるのだと思うと、気まずくなりたくなくて言えないこともある。波風立たずになんて思ってしまう。 後がなくなってから言えるなんて…